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Sweet Chariots

Beat based Song centered Spirit led / Sweet Chariots
(P)(C)2000 Virgin Records Sweden AB

1. All I want is what I had
2. Beatpound
3. Ship ahoy
4. Good love gone bad
5. Frankly
6. Never gonna stop
7. Cry no more tears
8. Balm for the burned
9. You said run
10. Ten tons of cargo
11. Sing your troubles away

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1993年、アトミック・スウィングポプシクルは同じ年にデビューした。1997年5月、アトミック スウィング解散。1999年3月、ポプシクル解散。 スウェーデンでチャートの1位を席巻していた90年代の2大ロックバンドの歴史は、華々しいものながら短命に終わった。

アトミック・スウィングのフロントメンバーであった
ニクラス・フリスクは、かねてからポプシクルのプロデューサーとしても活躍、 ポプシクルのアンドレアス・マットソンとは息のあったコンビネーションが生まれてきていた。 それがSweet Chariotsの始まりだったのだ。 アンドレアスの顔が、ニクラスの大好きなTelevisionのトム・ヴァーラインに似ているせいか(笑)、2人はお互いのバンドが解散してから一緒に曲作りを始めた。そして2000年3月、ついにそのアルバムが完成した。レコーディングは2人を中心に、スウェーデンの有名ミュージシャン達も参加している。

『ビートが基本、歌が中心、魂が導く』というアルバムタイトルに表されるとおり、基本はロックでありながら美しい泣きメロは健在、更にソウルのフレーバーが入っているサウンドが心地よく仕上がっている。 ニクラスはアトミック スウィング全盛期からR&Bやソウル・ファンク系の音楽に傾倒しており、カーティス・メイフィールド、スティービー・ワンダー等を愛聴していた。 それはアトミック スウィングとは程遠いサウンドのようだったが、こうして実際に彼がそういったものを取り入れた音楽をやっているのを聴いても違和感がなく、 完全に自分のものとして消化し、ジャンルを越えたサウンドを産み出してしまったのには圧巻だ。以前のような激しい曲はなく、ギターもアコースティックやカッティングがほとんどなので 物足りないと感じる人もいるだろうが、アトミック スウィングを受け付けられなかった人にも是非聴いてもらいたい作品だ。 また、随所に鳴り響くニクラスのピアノも必聴。以前からピアノで作曲しているというのも頷ける。全編に渡り程良い女性コーラスも花を添えている(特にTitiyoが素晴らしい)。ニクラスとアンドレアスがボーカルを交代でとっているのも微笑ましい。 先行シングル『Cry No More Tears』では、フレーズ毎に交互にボーカルが変わる。これぞ
Sweet Chariotsなのだ、という代表作なのだろう。違った魅力の2人の声が、絶妙なバランスを奏でている。

オープニング“All I want is what I had”は意外にも(?)ポプシクル調で始まる。解散して間もないアンドレアスの相変わらずの歌声と、ニクラスのコーラス&ピアノが微妙に絡む(個人的に2番から入るピアノが何故か非常に泣ける)。2曲目Beatpoundはアトミックのラストアルバム“fluff”を思わせ、大作“Ship Ahoy”ではドラマチックな展開の見事さとニクラスの新しいボーカル・スタイルに驚かされる。“Good Love Gone Bad”でアンドレアスが明るく悲しさを歌い上げた後、“Frankly”で完璧に泣かされる・・・。この曲はアトミック・スウィングの隠れた名曲“Looking For Tomorrow”、そしてLet It BeAngieなどにも通じる傑作なバラードだ。先行発売されているシングルには宅録バージョンが収められているが、この完全版の出来には参った!後半のうねりは涙なしには聴けないはず。“Never Gonna Stop”ではニクラスの低音ボーカルが光り、アルバムの軸である“Cry No More Tears”に突入。ここが最もロックらしい位に落ち着いたアルバムだ。“Balm for the burned”は歌詞に注目。“fluff”同様ミュージシャンの苦悩について歌われているが、「we're still gonna swing」と健在振りを訴えてもいるのが喜ばしい。“You Said Run”、 “Ten Tons Of Cargo”はトーンダウンしたアンドレアスの切ない歌声が切なく心地よい。そしてラストの“Sing your troubles away”“Cry No More Tears”のワンフレーズがファンク調にアレンジされ、Titiyoがフィーチャーされた長編。 プライマル・スクリームの“Give Out But Don't Give Up”を思わせる。

本国でのレヴューには、プラスティックオノ・バンドスライ・ストーン、ジョージ・マイケルプライマル・スクリーム(Movin' On Up)、オーティス・レディングなどが揚げられていて、「これはスウェーディッシュ・ゴスペルだ!」と絶賛されている。もちろんこれらも感じられるが、60年代のビートルズストーンズなどの空気もかなり感じ取れる。サージェント・ペッパーズサタニック・マジェスティーズスクリーマデリカの様に実験的であり趣味に走ったアルバムを、
Sweet Chariotsはいきなりデビュー作に持ってきた。アトミック スウィング解散時のインタビューで「アトミック スウィングは実験的なバンドだったんだ」としきりに言っていたニクラスらしい。

正式メンバーが2人だけである事と、打ち込みドラムも使われているこのサウンドをライヴでどう再現するのかという事から、ライヴバンドではないのか?と思われるが、アルバムクレジットの最後にはしっかり“To be continued”と記されている。ここ日本では未だ輸入盤すら入らず、日本盤発売の予定もないので来日の可能性は限りなく薄く遠いが、とりあえず相変わらずの天才的な作曲切ない歌声だけでもう十分だ。復活には相応しすぎる涙腺直撃攻撃の曲達に身を委ねて感動の涙を流そう。また1つ宝物を増やしてくれた事に感謝しながら。

2000年4月20日
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